ジェロニモζ は動かない-懺悔室-

慢性的に頑張らない。

「秋の海」って書くと、何だか関取みたいだ

海に行ってきた。
10月なのに。

とは言っても、別に泳いだりとかした訳じゃなくて、
橋を渡って行ける小さな島の神社にお参りして、
岩場をちょっと歩いて、
波打ち際から1メートル程上がった所にある石段に腰掛けて、
取止めもない話をただただし続けた。
2時間くらい。
それだけである。

天気は良過ぎず、悪過ぎず。
気候は暑くもなく、かと言って寒くもなく。
雲の合間から偶に差し込む遠慮がちな感じの日光が海面にぼんやり投射されて、
ああ何か秋っぽいなあ、なんてな風に思った。

貝殻と海草だらけの水際では、脚の長い小柄な海鳥が2羽、
ちょこちょこと歩き回っては、しきりと濡れた砂地を突っついていた。

彼らの関係性が気になるね、
夫婦? 親子? きょうだい?
或いはカップル?

観察しながら我々は意見交換を行なったが、
結局最後までよくわからなかった。

ヨットが遠くの方を渡っていくのが一度だけ見えた。
ああいうのに乗って、バカンスに行きたいなあと、
夢見がちな願望を口にした私に、
でも今の自分たちの職種だと難しいよね。
現実的視点に基づいた諦めにも似た窘めが、
隣にいる人から入った。

生温い潮風に吹かれ続けたせいか、
私の腕からはほんのり磯の香りがした。
隣にいる人は、髪がバサバサになっちゃった、
と言って笑っていた。

久しぶりに長時間人と喋った。
でも案外疲れなかった。
むしろ、何だかすっきりとした心持ちになった。
海のおかげか、もしくは。
その辺はどうなのか、どうなるのか、
私にはまだ何とも分からない。

まあつまり総合して何が言いたいかっていうと、
この時期の海は存外良いよ、
っていうただそれだけのこと。